長野県と山梨県にまたがる八ヶ岳連峰は、赤岳を主峰に2000m級の峰々が30kmも連なっています。夏沢峠から北を北八ヶ岳、南を南八ヶ岳と分けて呼ぶそうで、今回は阿弥陀岳~赤岳~横岳~硫黄岳の南八ヶ岳のメインコースです。
赤岳の山名は酸化鉄を含む岩石の赤い色から付いたそうで,山肌に陽が当たると赤色がさらに深い色になります。
中央高速諏訪南インターから約12km県道425号線を走ると美濃戸口です。さらに林道を進み、やまのこ村の有料駐車場(2日間で2,000円)に駐車。柳川北沢を渡り美濃戸山荘の前で行者小屋に出る南沢コースと、赤岳鉱泉に続く北沢コースに分かれてます。行きは右の南沢沿いを進みます。
南沢を何度か渡り返し樹林の中を進むと、急に視界が開け広い白河原に到着です。そこからは横岳の大同心、小同心が見られる様になります。行者小屋はもうすぐです。
行者小屋からは赤岳や阿弥陀岳を仰ぎ見る事が出来ます。行者小屋を左にいくと地蔵尾根へ、右は文三郎尾根(2002年に登りました)です。今回はさらに右に進み、中岳の分岐から阿弥陀岳へ登ります。
阿弥陀岳は、急な斜面と岩場の連続でハシゴもあり、途中挫折しそうな気持ちになる位の登りでした。阿弥陀岳山頂に着いたときは、辺りは曇りパノラマは期待できません。二人連れの登山者が晴れるのを待っているとのことなので、少し期待して待っていましたが諦めて下山しました。
中岳を過ぎ文三郎尾根との分岐を過ぎた辺りから、だんだんとガスが掛かってきました。赤岳山頂までは、急な岩場や鎖場や梯子が続きます。風も冷たく強いので、厳しい登りです。それでも一歩一歩進むと、一等三角点と赤嶽神社の祠がある赤岳山頂南峰です。
赤岳南峰はガスで覆われています。360度の展望は明日に期待して、赤岳北峰にある今日宿泊の赤岳頂上山荘に向かいました。午後3時20分ころ山荘に到着。
赤岳頂上山荘は外観の印象よりも広く、くつろげる山荘でした。入り口ではストーブが焚かれており、その周りで多数の人が暖をとっています。
2日目、4時に起床、御来光が5時45分頃との事なので、朝食をとり待つこと30分。多くの登山者が強風で寒い山頂で、ご来光の瞬間を待っています。
我々は岩で強風をしのげる場所を見つけ、ご来光を待ちます。ご来光は何度みても感動します。雲海に昇る姿もいいですが、今回のように雲ひとつない山の頂から表れる姿も叉厳かです。
直ぐ横には、陽の光を受けた富士山が雄大にそびえていました。その後、南アルプスや北アルプスなど360度の展望も満喫しました。
2日目の天気は、風は強いが晴れ。赤岳山頂周辺の気温も上がってきたので、赤岳頂上山荘を6時30分、横岳に向け出発です。山荘の前から赤岳展望荘まで急な下りです。
横岳までの稜線は、結構長く、地蔵ノ頭(行者小屋に向かうコースの分岐点)や二十三夜峰、日出岳、三叉峰等の稜線を進みます。横岳山頂はハシゴを登ってすぐのところにあります。
横岳の山頂を後に、奥の院で360度のパノラマを楽しみました。しかし、硫黄岳への稜線は強風で帽子が飛ばされそうでした。
横岳を後に硫黄岳へ向かいました。硫黄岳の手前にある硫黄岳山荘で休憩をとり、温かいコーヒーとココアで暖をとりました。
硫黄岳山荘のトイレはきれいな水洗トイレでした。トイレの入り口には登山靴のままで良いと書かれています。しかしなぜか若い女性がサンダルに履き替えていくので、その方がいいのか聞いてみると「きれいなトイレなので、泥で汚すと悪いから」という理由でした。私も前者を見習いました。
硫黄岳山荘を後に硫黄岳へ向かいました。山頂まではケルンが道標になります。
なだらかに見える硫黄岳も北側の大きな噴火口跡は絶壁です。広々とした山頂は展望がよく、南アルプスや北アルプスのパノラマを堪能しました。
硫黄岳を後に赤岩ノ頭の分岐から、赤岳鉱泉へ下ります。下山の途中、阿弥陀岳、赤岳、横岳、硫黄岳が木々の合間に出現し何度も感激しました。
赤岳鉱泉にはアイスクライミングの人口壁の鉄骨がありました。シーズンに向けてもう準備が始まっているのでしょうか?。初心者は人口壁で練習し、上級者はジョウゴ沢などの自然の氷瀑に挑むのだそうです。赤岳鉱泉からは柳川北沢沿いを美濃戸山荘前まで下ります。
山に登るのに、今までいろいろな人に助けてもらいました。カーナビのおかげで道を聞く事は最近は少なくなりましたが、上高地の沢渡の駐車場では3日間で車のバッテリーが上がった時や、東北震災後の未明の山形道でガソリンスタンドが閉まっていた時は、JAFの方にお世話になりました。そして今回はデジカメの充電をうっかり忘れてしまい困っていたら、コンビニの方が助けてくれました。「ファミリーマート諏訪南インター店」さん本当にありがとうございました。おかげでいい写真を撮ることができました。