静岡県葵区と長野県飯田市との県境にそびえる聖岳は、南アルプスの3000m峰の中では最南端に位置しています(南アルプスの主脈の最南端は光岳です)。
山名は山梨県側では聖沢に由来しており、険悪な沢を「へづり」ながら登ったことから付いたのではないかと云われています。また、長野県側では「日知る岳」の別名もあるようです。
静岡県側の聖沢登山口が一般的に登られているようですが、マイカーで直接登山口まで入れないので、今回は長野県側の便ケ島(たよりがしま)から登ります。その他にも赤石岳や光岳との縦走コースもあります。
中央高速飯田インター~国道151号~国道418号~国道152号~市道142号~易老渡(光岳の登山口)~便ヶ島
駐車場脇の登山口から出発します。小さなトンネルを潜り抜けると、右側に遠山川が眼下に見られるようになります。滝の沢橋とかつら沢橋を渡りしばらく行くと西沢渡です。西沢には人力で動くゴンドラがありますが、前を渡っている若者が苦戦しているようです。水量も多くないので我々は丸太橋を渡ります。
西沢を渡り、朽ちた造林小屋跡を過ぎると、カラマツやシラビソの樹林帯の急登が始まります。苔平、西沢三角点(登山道の近くにある)を通過すると、20分ほどで聖岳と聖平への分岐点、薊畑に到着です。1日目の登りはここまでです。
薊畑から聖平小屋までは20分ほど下ります。登山道脇には高山植物が多く咲いています。
シカ対策なのでしょうか、ネットで保護されている所もあります。聖平の分岐から100mで今日の宿泊地、ウエルカムフルーツポンチのある聖平小屋に到着。
2日目
4時起床。4時30分に朝食、小屋の早い朝食はありがたいです。5時、聖平小屋を出発します。
聖平の朝露に濡れた木道を渡り、朝日のあたる光岳を眺めながら薊畑まで一気に登ります。
薊畑分岐に不要の荷物をデポし、聖岳を目指します。
登り始めはマルバダケブキやトリカブトの多いお花畑が続きます。さらに登ると富士山の顔が少し見えるようになり、雲海に浮かぶ恵那山も見えます。聖岳と小聖岳がだんだん近くなってきました。
ダケカンバの林を抜け、森林限界を超えると小聖岳です。稜線に出ると聖岳の大きな姿が目の前に現れ感激です。小聖岳からの展望は良く富士山や、兎岳、上河内岳の山々が望めます。
小聖岳からハイマツのやせた尾根歩きになります。西側が切れ落ちているので要注意ですが、岩の間から流れ出る水や、岩場に咲く花を眺めながらの楽しい尾根歩きです。その後は、山頂までザレた急斜面をジグザグに登ります。辛い登りですが、富士山や周囲の山々の美しい景色に疲れも半減します。
聖岳山頂からは富士山や上河内岳、茶臼岳、光岳と恵那山、御嶽山、木曽駒ヶ岳、赤石岳など360度のパノラマが望めます。

聖岳山頂のパノラマ(左より富士山、箱根山、愛鷹山、上河内岳、大無間岳、茶臼山、イザルガ岳、光岳、池口岳)
山頂部には主峰の聖岳(3013m)と三角点のある奥聖岳(2978.3m)があり、大きな山容は眺める位置により大きく変化します。
聖岳から600mほどで奥聖岳です。途中にチングルマのお花畑もあります。
奥聖岳の山頂からの景色も素晴らしく、しばらく展望を楽しみました。
奥聖岳から聖岳に戻った時、登山者が「雷鳥の親子」を見つけ集まっていました。思わず、シャッターを押しました。
その後下山したのですが、13分下った所で山頂にカメラを忘れた事に気付き探しに戻ります。カメラは、休憩した岩場に残っていました。大切な記録が戻って良かったと胸をなでおろし、急いで下山します。
聖岳で見つけた花々
聖岳は大きな山でした。1泊2日での計画で大丈夫かと心配でしたが、予備日を使う事なく登って来れました。天気に恵まれたのが一番だと思います。山頂のあのすばらしい景色に出会うと苦しかった事など、どこかに行ってしまうので不思議です。
帰りに遠山温泉郷の南信濃村村営温泉施設「かぐらの湯」に入りました。
泉質は、源泉温度42.5度の塩化物温泉 (ナトリウム・カルシウム塩化物温泉)でとても気持ちのよい温泉でした。