北アルプスの五竜岳は、鹿島槍ケ岳と共に後立山連峰の主峰のひとつです。日本三霊山の一つでもある「立山」は、古くから信仰登山として室堂側から登られており、黒部川を挟んで対岸の山は「後ろの山」という事なのだそうです。一般的に白馬岳から針ノ木岳までの稜線上の山々が後立山と呼ばれています。
全長3445m(標高差1060m)を3本のリフトで乗り継ぎ、標高1830mまで行ける八方尾根から五竜岳を目指します。
自宅23時15分出発~中央高速~長野自動車道安曇野IC(旧豊科IC)~国道147号・148号~県道322号~ゴンドラリフト八方駅駐車場(500円)5時30分着。
午前7時30分予定のゴンドラリフトの始発が7時に繰り上げられ、今日の行動時間を9時間と予想している私達は大助かりです。
八方駅(八方尾根ゴンドラリフト8分)~兎平(アルペンクワッドリフト7分)~黒菱平(グラートクワッドリフト5分)~第1ケルン(八方池山荘)に7時22分に到着。八方池山荘横の登山道から出発します。
紅葉の季節、ツアーらしき登山者が多いです。

登山道を登るにつれ、緑のハイマツの中に赤や黄の色が濃くなってきます。
八方山ケルン・第2ケルン・八方ケルンと登っていくと、水面に白馬岳と紅葉を映した八方池が眺められる第3ケルンです。池の周りには周遊コースが整備されています。
八方池まで多かった登山者も、唐松岳への分岐を過ぎると少なくなってきました。
分岐を少し過ぎた頃、ダケカンバの黄色とナナカマドの赤がとても鮮やかな場所があり、花の頃とは違う山の色に感激です。
だんだんとガスが上がってきました。唐松岳山頂もガスに覆われてしまいました。
再び唐松頂上山荘に戻ります。
風がだんだんと冷たくなってきたので、山荘を風よけにして休憩をとり、五竜岳山荘へ向かいます。五竜岳の方向はガスがかかっており、雨にならないか心配です。できるだけ山小屋到着を早めたいところです。
八方尾根分岐を五竜岳に進むと、今日の難所の牛首の鎖場です。岩場やガレ場が続きますが、しっかりと鎖がついているので安心です。それでも慎重に下ります。ガスがかかり五竜岳は望めませんが、雨に降られることなく五竜山荘に到着しました。
夕食はとても美味しい、お代わり自由のカレーライスです。私達は一杯で十分でしたが、隣の席の若い女性が、三杯目のお代わりをしていました。
二日目 4時起床。
五竜岳でご来光を迎える人達が、出発の準備をしています。寒さが心配でゆっくり出発する予定でしたが、外に出てみると想像していたより寒くありません。急いで出発する事にしました。
天気も良く、最高の展望です。雲海の向こうに富士山も望めます。ご来光も途中で拝めました。朝日を浴びた五竜岳や鹿島槍ヶ岳が、赤く染まり神々しい姿です。
山頂付近は、急な岩場が続きます。山頂は、八峰キレットへと続く稜線から少し離れた場所にあります。
五竜岳山頂に立つと朝日を浴びた立山、剱岳が大きく迫ってきます。
また、白馬三山から唐松岳、五竜山荘までの稜線が一望でき、360度のパノラマを眺めることができ、感激です。

五竜岳のパノラマ(左より鹿島槍ヶ岳、槍ヶ岳、黒部五郎岳、薬師岳、立山、真砂岳、別山、剱岳、毛勝三山、僧ヶ岳)

五竜岳のパノラマ(旭岳、鑓ヶ岳、白馬岳、杓子岳、手前に唐松岳、雲海奥に焼山、火打山、妙高山、高妻山))
五竜山荘へ戻る登山道からは、五竜岳山頂付近の人影や遠見尾根の稜線、登るときは確認できなかった毛勝三山の全景が望めます。
五竜山荘に戻り、朝食を頂き(朝食は5時30分から8時までです。私達が最後でした)、昼の弁当をもらい、帰路につきます。
五竜山荘の後から遠見尾根分岐までは少し登りますが、展望の良い尾根歩きは最高です。

白岳のパノラマ(左より五竜岳、毛勝三山、僧ヶ岳、唐松岳)
遠見尾根は、紅葉が素晴らしいと聞いているので楽しみです。
白岳の先に鎖場もありますが、緩やかな下りが続きます。展望の良い尾根からは、さっき登って来た五竜山荘から五竜岳までの稜線も一目で確認できます。
遠見尾根からは、紅葉に彩られた五竜岳や鹿島槍ヶ岳が、角度を変えていろいろな姿を見せてくれます。
西遠見は、鹿島槍ヶ岳から五竜岳までが一望できる撮影ポイントです。
水は少なかったのですが、西遠見ノ池に写る五竜岳を観る事もできました。

西遠見ノ池のパノラマ(左より鹿島槍ヶ岳から五竜岳への稜線)
西遠見から大遠見・小遠見までは稜線歩きが続きます。後ろに見える様になった鹿島槍ヶ岳の姿が、少しづつ変化していきます。
五竜岳で出会った秋の花と実
小遠見山では、アルプス平から登って来た人達が、目の前に表れた鹿島ヶ槍ヶ岳の姿に感激しています。私達も五竜山荘で作ってもらった弁当を食べ、楽しませてくれた山々と別れを惜しみながらアルプス平まで下ります。
地蔵ノ頭からアルプス平へ下る山道は紅葉真っ盛りです。途中の稜線からは、昨日歩いた八方尾根が望めます。
アルプス平からは五竜テレキャビンリフト(8分)でとおみ駅に着きます。車を八方尾根ゴンドラリフト駅に停めてあるので、タクシーで戻ります(2,300円)。
その時の運転手さんに教えてもらった温泉「みみずくの湯」で山の疲れを癒しました。露天風呂もある気持ちのいい温泉でした。入浴料500円が割引券で400円でした。
紅葉の素晴らしい時期に五竜岳に登ることができました。いろいろな山で紅葉は見ているのですが、今までで一番感激した紅葉かもしれません。
最後まで楽しませてくれた鹿島槍ヶ岳にも、是非挑戦したいと思います。