奥秩父の山で、頂上にシンボルの五丈岩がある金峰山や、花崗岩で出来ている岩山の瑞牆山は、見た目にも印象に残る山です。しかし、甲武信岳(甲州・武州・信州の境)はその名前だけでも、一度聞いたら忘れられない山のひとつです。さらに千曲川(新潟県に入ると信濃川になり、日本海へ)・荒川(秩父盆地から関東平野を流れ、東京湾へ)・笛吹川(甲州盆地から富士川と合流し、太平洋へ)の源流となると尚更です。
2002年8月に登った時も、千曲川の水源地標の直ぐ下にある少量の水の流れが、いずれは大きな川となり海に注ぐのだと感激したのを今でも覚えています。今回はシャクナゲの時期に合わせての山行です。
中央高速須玉インターから国道141号線、県道68号線経由で毛木平(もうきだいら)にある村営駐車場に到着。早朝4時30分、思ったよりも気温が低く寒いです。
大山祇神社からは、カラマツ等の新緑の森が続き、緩やかな山道を進みます。苔むした西沢沿いの「千曲川源流遊歩道」を、沢を左に見ながら進みます。
千曲川源流遊歩道は残雪が至る所に残っていましたが、千曲川信濃川水源地標の地点に到着です。標柱の近くの階段を下ると、木の下の穴から清らかな水が流れ出ています。そこが源流です。ここから、この沢は千曲川・信濃川と名を変え日本海に注ぐ日本一長い川のスタート地点となっています。
ここから30分程で山頂ですが、樹林帯の中なので雪が多く残っており、歩きにくいです。
大弛(おおたるみ)峠からの道に合流する稜線にでると、急に視界が開けて、甲武信岳山頂や秩父の山々、雲の間に富士山も望めます。
甲武信岳山頂に着くと、途中で見えた富士山の姿は見ることができませんでした。近くには甲武信岳より8m高い三宝山が見えます。
西沢渓谷から登って来た方と山頂で出合いました。戸渡尾根ではシャクナゲがたくさん咲いていたそうです。帰路は、甲武信小屋経由の三宝山コースへ進みます。
甲武信小屋の鹿よけの柵を通り抜け、甲武信岳から三宝山への登山道に合流、雪が残る針葉樹林の中を進みます。三宝山の山頂は広く、ゆっくりと昼食をとりたい人にはおすすめです。三宝山を過ぎても雪が多く、前の人の踏み後を頼りに下って行きます。
武信白岩山(ぶしんしらいわやま)に近づくにつれ、大きな岩が山道を塞ぐようになり、ハシゴやクサリ場が多くなってきます。
武信白岩山は、岩の山頂で裏側からは登れそうでしたが、立ち入り禁止のロープが張られていたので、諦めて大山へ進みます。
武信白岩山から大山に進むにつれて、アズマシャクナゲを見ることが出来、大山の山頂ではハクサンシャクナゲも咲いています。
今回アズマシャクナゲと、ハクサンシャクナゲの違いが判らず悩みました。いろんな人の解説があり、大きな違いは「葉」に有るようです。それを参考に私達は、付け根に近い所の葉の形が、人間でいう「なで肩(アズマシャクナゲ)と、いかり肩(ハクサンシャクナゲ)」に似ていると解釈したのですがいかがでしょうか?そんな簡単に見分けがつくものでは無いのかも知れませんね。
大山の山頂では甲武信岳からの稜線伝いに武信白岩山、三宝山を眺めることができました。
十文字小屋は十文字峠にあり、小屋の周辺はアズマシャクナゲが多く咲いています。
十文字峠をからは、新緑のカラマツの林を抜け、苔(苔にも新緑があるのでしょうか?緑色が鮮やかです)の見事な沢のせせらぎを見ながらの下山です。
毛木平の駐車場のある川上村は、高原野菜の栽培が盛んなようです。
前回、8月下旬の夜明け前に車で走った時、大きなトラックが畑に横付けされ、ライトを付けて野菜を収穫している光景にはビックリしました。6月は作付けの時期のようで、やはり大きなトラクターが農道を行き来していました。