丹沢山塊は神奈川県の約6分の1の面積を有し、山梨県と静岡県にも隣接しています。約1500万年前に南の海の火山島が地殻変動でゆっくりと移動し、約600万年前本州にぶつかり、そこに約100万年前に丹沢の南にあった伊豆半島がぶつかった。そして本州と伊豆半島に挟まれて盛り上がった所が丹沢山地との事です。深田久弥氏も「丹沢山とは山塊中の1峰である」と表現しているように、前衛の山に始まり東丹沢、西丹沢、道志山塊の山々すべてが丹沢山なのでしょう。神奈川県に住む私達もその中の山を登る時、丹沢の大山とか丹沢の塔ノ岳という表現をしています。
2001年11月に塩水林道から堂平経由で丹沢山と蛭ケ岳を往復したのですが、林道歩きが長いので今回は天王寺尾根を登る事にしました。塩水橋のゲートを入りしばらくいき、分岐を左の本谷林道に進みます。
本谷林道出合いを天王寺尾根に取り付くと、天王寺峠まで急登が続きます。そこからはブナの美しい天王寺尾根の尾根歩きです。
天王寺尾根分岐で堂平からの登山道と合流します。そこからは右側の斜面が崩れた箇所(鎖が付いています)を除けば木道の多い道が丹沢山山頂まで続きます。木道の周りにはマルバダブキやバイケイソウが多く、花はまだですが葉の緑色がとても綺麗です。
丹沢山や蛭ヶ岳の登山道で見つけた樹に咲く花です。登山道にはシロヤシオの木が多くありました。残念ながら花の時期は過ぎていました。
丹沢山山頂は広く、多くの登山者がゆったりと休憩をとっています。塔ノ岳方面から登って来る人も多いです。
丹沢山を後にして、蛭ヶ岳への往復6.8kmに挑戦します。ガスで山頂は見えません。蛭ヶ岳までは、不動ノ峰、棚沢ノ頭、鬼ヶ岩ノ頭とアップダウンが続き、結構、きつい稜線歩きです。
蛭ヶ岳(1673m)は丹沢の最高峰です。蛭ヶ岳山頂からは蛭ヶ岳に連なる檜洞丸や、その後方にそびえる富士山が望める筈ですが残念です。
6月の初旬の丹沢山や蛭ヶ岳の登山道で見つけた花々です。
午後1時45分ころに蛭ヶ岳を出発、来た道を丹沢山に戻ります。帰りは視界が少し良く、蛭ヶ岳や丹沢山の山頂を望む事ができました。丹沢山からは堂平の登山口に降り、長い塩水林道を下ります。
深田久弥氏の「日本百名山」の丹沢山の文中に、檜洞丸の事が書かれています。『蛭ヶ岳から西に、ズングリした頭の桧洞丸がある。丹沢で第二の高峰であるが、樹木で覆われていて道がなく、怪峰とか秘峰とか呼ばれたものだが、今はどうか。』と、檜洞丸はシロヤシオ(ゴヨウツツジ)やトウゴクミツバツツジなどのツツジの多く咲く山です。今年も5月の花の時期に登ったのですが、その日出会った団体さんは新宿からのバスツアーとの事でした。朝6時に新宿を出発したとの事で、檜洞丸に登り、17時には帰りのバスに乗り込んでいました。こんなにも手軽に檜洞丸に登れるとは、深田久弥氏が知ったらびっくりする事でしょう。