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このサイトは、夫婦で登った山のGPS記録で綴る登山日記です。

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2007.09.24(月)
焼岳(2455.4m)

焼岳は大正4年(1915年)6月6日の爆発で梓川を堰きとめ、上高地の有名な大正池を造りだした山と聞いています。子供の頃に絵葉書で見た、枯れ木の立っている緑色の水面の大正池は憧れの風景でした。
その焼岳は今でも噴煙をあげ活動を続けています。

今回は山友会のメンバー2名と一緒に山登りを計画しました。しかし、この日は天候が悪かったので計画を変更し、展望の良いと言う上高地ルートでは無く、マイカー規制のない最短で登れる「新中の湯ルート」で焼岳を目指しました。
国道158号線の旧道の中の湯温泉を過ぎた道路脇に、「新中の湯ルート」の駐車場(10台収容)があります。そこの焼岳登山口から下堀沢出合までいっきに登ると、右手に思わず足を止めずにはいられない風景(奥穂高岳から前穂高岳の連峰)が雲の彼方に迫ってきました。

下堀沢出合の風景(奥穂高岳~前穂高岳

焼岳に登る途中、登山道の両側には夏の花の果実と秋の野花が咲き、登山道を色づけていました。

オヤマリンドウ(御山竜胆)
ゴゼンタチバナ(御前橘)の果実
ゴゼンタチバナ(御前橘)の果実

山頂の手前はあたりは、夏の頃は多くの野花で賑わいをみせていたことでしょう。夏の花の終焉を眺めながら、焼岳の北峰手前まで登りました。そこからは山道の近くまで煙が立ちこめ、独特の硫黄の匂いを嗅ぎながら、できるだけ息を止めて通りぬけました。そこを過ぎれば山頂までもう直ぐです。

前方に焼岳(左:南峰 中央:北峰)
焼岳(北峰)の手前

焼岳山頂(北峰)へ登る途中、先ほどの噴煙の反対側に同じような噴煙が立ちこめる場所があります。
先程と同じ独特の硫黄の匂いを嗅がなければ北峰頂上はたどり着けません。必死に硫黄の匂いを我慢しながら焼岳(北峰)山頂にたどり着きました。
今回は天候に恵まれなかったので、山頂からは近傍の山々以外見えない状況で、槍ヶ岳・穂高岳は眺めることができませんでした。
しかし、その時山頂で出会った若者は、1持間余りも霧が晴れるのを待っているとの事。我々も期待しながら30分位頂上に留まりましたが、霧が晴れる兆候がないので、断念して下山することにしました。

焼岳(北峰)山頂の風景
焼岳(北峰)山頂(2393m)

焼岳(北峰)山頂からは、霧の合間に「旧火口の正賀池」が眺められましたが、「新火口 インキョ穴」付近は霧がかかっていていました。
下山の際、登る時に噴煙を上げている独特の硫黄の匂いのする場所を眺めながら下りました。近くで蒸気の音を聞くと今にも爆発しそうな雰囲気で少し怖い気がしました。

旧火口の正賀池
北峰頂上手前付近の噴出口

北峰山頂への岩道は、すぐ近くに硫黄の噴出口があり、臭いがきつく、岩を触ると温かく感じました。

焼岳(北峰)を下り、北峰と南峰の中間地点の右手方向に「新火口 インキョ穴」があります。
時間的に余裕があったので、「新火口 インキョ穴」の近くまで足を運び、インキョ穴を覗き込んだ時は想像以上の風景でした。噴火でできた地形は吸い込まれるような深い穴で、岩石が空中を飛び交う噴火を想像し、自然の力に驚かされるばかりでした。そこから北峰と南峰の中間点に戻り、南峰方面に足を運びました。そこから北峰の全景と噴煙を見ながら、「焼岳は今でも活火山であるな・・・」と再認識しました。

新火口 インキョ穴:1911年水蒸気爆発でできたインキョ穴
南峰側から見た北峰

焼岳を後に、下堀沢出合まではなだらかな下り坂が続きます。秋の花々を眺めながらの下山です。

アカモノ(赤物)

花が終わると萼が成長し、果実を包み込み、赤色の偽果となる。この偽果は食用になり、甘みがありおいしい

今回の山登りは天気に恵まれず、急遽マイカー規制のない出発点(駐車場)から焼岳への最短コース(新中の湯ルート)になりました。今後機会があれば、天気の良い日に上高地ルートからのんびりと北アルプスの穂高岳・槍ヶ岳・笠ヶ岳などの山々を眺めながらのコースにも挑戦したいと思います。

2007.09.24
  • メンバー
    夫婦他2名

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