長野県佐久市と群馬県下仁田町・南牧村の県境に横たわる荒船山。
山容が荒海を行く船の様な姿をしていることから荒船山と呼ばれているそうです。ガイドブック等に紹介されている他の山から見た荒船山は確かに、最高峰の経塚山が船首、それに続く稜線が甲板、そして艫(とも)岩が船尾に見えます。
南北約2km、東西約400mの安山岩でできた台地で、「約950年前、台地が大陥没をおこし(本宿陥没)カルデラ盆地を造った。その後700万年前の火山活動により、その陥没した台地の割れ目からガラス質安山岩溶岩(荒船溶岩ともいう)が平らな地面に流れて固まり、長い年月の浸食により今の形になった。」荒船山の山頂が平坦なのは安山岩溶岩が浸食に強かったためで、この様な地形の事を「メサ」というそうです。
関越道下仁田インター~国道254号線~林道星尾線~荒船不動尊近くの駐車場から出発。
荒船不動尊からミズナラやカラマツの新緑の中、星尾峠へまで進みます。クマやイノシシに注意の看板もあります。心なしか獣の臭いがする場所があり、足早に通り抜けます。
分岐から荒船山最高点の経塚山(行塚山ともいう)を往復。弘法大師が経文を埋めたという伝説からこの名が付いたそうです。
経塚山から分岐まで戻り、艫岩へ向かいます。平坦な稜線が南北に約2kmほど続く溶岩台地の平頂です。
途中でクリンソウを見つけました。
頂上台地は歩きやす一本道で、今まで体験した事のない山頂歩きになりました。
荒船山の北端にある艫岩からのパノラマです。
荒船山の北端にある「艫岩」は荒船山を船に見立てたとき船尾にあたり、高さ200mの岩壁が垂直に切れ落ちています。艫岩の展望台に柵はなく、「この先断崖絶壁危険 転落死亡事故発生」の掲示があるだけです。下を覗き見る事はできませんが、展望台の横に見える絶壁を観れば想像ができます。
荒船山の花
富岡製糸場が世界遺産に登録されたのはニュースで知っていましたが、「荒船風穴」もその一部だとは知りませんでした。道路脇に立つ看板の、世界遺産の文字に曳かれて風穴を訪れたのですが、色々と学べました。
「明治日本の産業革命遺産」として①荒船風穴、②富岡製糸場、③高山社跡(全国、海外に技術を広めた民間養蚕教育機関)、④田島弥平旧宅(蚕の優良品種の開発と普及)の4資産で「富岡製糸場と絹産業遺産群」が2014年世界遺産に登録されました。
下仁田町営温泉「荒船の湯」にも入りました。
荒船山は割と楽に登れました。帰りに神津牧場の美味しいチーズとソフトクリームを食べ、世界遺産の富岡製糸場・荒船風穴を見学、荒船の湯にも浸かり、楽しい一日になりました。