聖岳ひじりだけ (3013m)

静岡県葵区と長野県飯田市との県境にそびえる聖岳は、南アルプスの3000m峰の中では最南端に位置しています(南アルプスの主脈の最南端は光岳です)。
山名は山梨県側では聖沢に由来しており、険悪な沢を「へづり」ながら登ったことから付いたのではないかと云われています。また、長野県側では「日知る岳」の別名もあるようです。
静岡県側の聖沢登山口が一般的に登られているようですが、マイカーで直接登山口まで入れないので、今回は長野県側の便ケ島(たよりがしま)から登ります。その他にも赤石岳や光岳との縦走コースもあります。

中央高速飯田インター~国道151号~国道418号~国道152号~市道142号~易老渡(光岳の登山口)~便ヶ島
駐車場脇の登山口から出発します。小さなトンネルを潜り抜けると、右側に遠山川が眼下に見られるようになります。滝の沢橋とかつら沢橋を渡りしばらく行くと西沢渡です。西沢には人力で動くゴンドラがありますが、前を渡っている若者が苦戦しているようです。水量も多くないので我々は丸太橋を渡ります。

(画像はクリックで拡大します)
便ヶ島駐車場(無料)トイレ有 聖岳登山入口 トンネルを抜ける
滝の沢 かつら沢橋 西沢渡の人力ゴンドラ
水流が少ない遠山川を丸太橋で渡る カラマツ林 急な岩場を進む

西沢を渡り、朽ちた造林小屋跡を過ぎると、カラマツやシラビソの樹林帯の急登が始まります。苔平、西沢三角点(登山道の近くにある)を通過すると、20分ほどで聖岳と聖平への分岐点、薊畑に到着です。1日目の登りはここまでです。

苔むした倒木が多い登山道 苔平 登りが続きます
西沢三角点(2314.1m) もうすぐ薊畑分岐 薊畑分岐

薊畑から聖平小屋までは20分ほど下ります。登山道脇には高山植物が多く咲いています。
シカ対策なのでしょうか、ネットで保護されている所もあります。聖平の分岐から100mで今日の宿泊地、ウエルカムフルーツポンチのある聖平小屋に到着。

聖平小屋へ下る 聖平の木道 聖平小屋に到着

2日目
4時起床。4時30分に朝食、小屋の早い朝食はありがたいです。5時、聖平小屋を出発します。
聖平の朝露に濡れた木道を渡り、朝日のあたる光岳を眺めながら薊畑まで一気に登ります。
薊畑分岐に不要の荷物をデポし、聖岳を目指します。
登り始めはマルバダケブキやトリカブトの多いお花畑が続きます。さらに登ると富士山の顔が少し見えるようになり、雲海に浮かぶ恵那山も見えます。聖岳と小聖岳がだんだん近くなってきました。

聖平の木道 朝日のあたる光岳 薊畑分岐より聖岳
マルバダケブキのお花畑 雲海に浮かぶ恵那山 聖岳と小聖岳

ダケカンバの林を抜け、森林限界を超えると小聖岳です。稜線に出ると聖岳の大きな姿が目の前に現れ感激です。小聖岳からの展望は良く富士山や、兎岳、上河内岳の山々が望めます。

ダケカンバの林 小聖岳より富士山 小聖岳山頂(2662m)
小聖岳より兎岳 小聖岳より上河内岳 小聖岳より聖岳

小聖岳からハイマツのやせた尾根歩きになります。西側が切れ落ちているので要注意ですが、岩の間から流れ出る水や、岩場に咲く花を眺めながらの楽しい尾根歩きです。その後は、山頂までザレた急斜面をジグザグに登ります。辛い登りですが、富士山や周囲の山々の美しい景色に疲れも半減します。

小聖岳の奥に光岳 上河内岳、茶臼岳 小聖岳の奥に茶臼岳、光岳
ザレた急斜面を登る 雲海に浮かぶ富士山 もうすぐ山頂

聖岳山頂からは富士山や上河内岳、茶臼岳、光岳と恵那山、御嶽山、木曽駒ヶ岳、赤石岳など360度のパノラマが望めます。

(パノラマ画像をパンしてご覧になるには Adobe Flash Player が必要です)
聖岳山頂のパノラマ(左より富士山箱根山愛鷹山、上河内岳、大無間岳、茶臼山、イザルガ岳、光岳、池口岳)

山頂部には主峰の聖岳(3013m)と三角点のある奥聖岳(2978.3m)があり、大きな山容は眺める位置により大きく変化します。

方位盤 聖岳山頂(3013m) 聖岳より恵那山
聖岳より御嶽山木曽駒ヶ岳 聖岳より赤石岳、仙丈ヶ岳(左奥) 聖岳より奥聖岳

聖岳から600mほどで奥聖岳です。途中にチングルマのお花畑もあります。
奥聖岳の山頂からの景色も素晴らしく、しばらく展望を楽しみました。

奥聖岳山頂(2978.3m) 奥聖岳より富士山 奥聖岳より聖岳
奥聖岳より兎岳 奥聖岳より赤石岳、荒川岳(右奥) チングルマのお花畑

奥聖岳から聖岳に戻った時、登山者が「雷鳥の親子」を見つけ集まっていました。思わず、シャッターを押しました。
その後下山したのですが、13分下った所で山頂にカメラを忘れた事に気付き探しに戻ります。カメラは、休憩した岩場に残っていました。大切な記録が戻って良かったと胸をなでおろし、急いで下山します。

雷鳥の親子が散歩中 聖岳より下山 もうすぐ便ヶ島

聖岳で見つけた花々

フシグロセンノウ(節黒仙翁) カニコウモリ(蟹蝙蝠) マルバダケブキ(丸葉岳蕗)
ウメバチソウ(梅鉢草) ハクサンフウロ(白山風露) シナノオトギリ(信濃弟切)
イブキジャコウソウ(伊吹麝香草) ミヤママンネングサ(深山万年草) ミヤマミミナグサ(深山耳菜草)
イブキトラノオ(伊吹虎の尾) タカネマツムシソウ(高嶺松虫草)
ハハコグサ(母子草) トモエシオガマ(巴塩竈) クルマユリ(車百合)
タカネツメクサ(高嶺爪草) イワツメクサ(岩爪草) イワギキョウ(岩桔梗)
チングルマ(稚児車) ウサギギク(兎菊) タカネシオガマ(高嶺塩竈)
オオハナウド(大花独活) ミヤマオトコヨモギ(深山男蓬) シコタンハコベ(色丹繁縷)
イワインチン(岩茵陳) ヤマブキショウマ(山吹升麻) トウヤクリンドウ(当薬竜胆)
ヒメウスユキソウ(姫薄雪草) クロトウヒレン(黒唐飛簾) ミヤマキンポウゲ(深山金鳳花)
オヤマリンドウ(御山竜胆) ホソバトリカブト(細葉鳥兜) タカネナデシコ(高嶺撫子)
タカネコウリンカ(高嶺高輪花) セリバシオガマ(芹葉塩竈) クサギ(臭木)

聖岳は大きな山でした。1泊2日での計画で大丈夫かと心配でしたが、予備日を使う事なく登って来れました。天気に恵まれたのが一番だと思います。山頂のあのすばらしい景色に出会うと苦しかった事など、どこかに行ってしまうので不思議です。

帰りに遠山温泉郷の南信濃村村営温泉施設「かぐらの湯」に入りました。
泉質は、源泉温度42.5度の塩化物温泉 (ナトリウム・カルシウム塩化物温泉)でとても気持ちのよい温泉でした。

データ
2015.08.04~05
夫婦
便ヶ島駐車場
2.2km

5:32

6:28

西沢渡
3.0km

 

10:01

苔平
1.2km

 

11:21

西沢三角点
0.4km

 

11:46

薊畑分岐
0.8km

 

12:10

聖平小屋(泊)
0.9km

4:58

5:32

薊畑分岐
1.1km

 

6:31

小聖岳
1.4km

 

8:03

聖岳
0.6km

8:24

8:32

奥聖岳
0.7km

 

8:50

聖岳
1.4km

 

10:17

小聖岳
1.1km

 

11:07

薊畑分岐
1.4km

 

12:11

苔平
2.9km

 

14:11

西沢渡
2.1km

 

14:53

便ヶ島駐車場
歩行距離
21.2km
行動時間
16時間33分
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