利尻岳りしりだけ (1719m)

北海道の利尻岳(国土地理院では、利尻山と表示されています)は、利尻富士とも呼ばれています。利尻島の「リイ・シリ」とはアイヌ語で高い山という意味だそうです。島のほぼ中央に山頂を置き海抜ゼロまで裾野をのばす円錐形の利尻岳、島すべてが高い山なのです。
登山道は鴛泊(おしどまり)、沓形(くつがた)、鬼脇(おにわき)と3コースありますが、現在鬼脇コースは崩壊が激しく、7合目までしか行けないようです。今回は鴛泊から登り、沓形に下ります。

<< 北海道の山旅1日目 >>
羽田空港発11:00の飛行機で稚内空港着12:50分。稚内で食糧品を調達して、稚内港発15:40分のフェリーで鴛泊(おしどまり)港着17:20分(約1時間30分)。ハイヤーで今日の宿泊地の利尻北麓野営場に17:40分到着です(約10分)。北麓野営場は鴛泊コースの登山口にあり、キャビンとテントサイトがあるとても良い施設です。山頂が眺められる場所が2ケ所あります。

<< 北海道の山旅2日目 >>
標高210mの利尻北麓野営場の登山口から、早朝の出発です。

(画像はクリックで拡大します)
夕陽に染まる利尻岳(前日) 北麓野営場 雲海に浮かぶ礼文岳
木々の向うに利尻岳 ダケカンバやミヤマハンノキが多い 5合目過ぎより礼文島(雲海の奥)
5合目過ぎより長官山 6合目第一見晴台より礼文島 6合目第一見晴台よりポン山

歩き始めから樹林帯が続き、6合目第一見晴台で少し展望が開けますが、また樹林帯に入ります。7合目の胸突き八丁のきつい登りを登りきると、展望の良い第二見晴台です。幸運な事に、そこでブロッケン現象を見る事が出来ました。自分の影が遠くの虹の輪の中で動いているのは、とても不思議です。
第二見晴台からは沓形の町や礼文島も望む事が出来ます。8合目の長官山まではあと一上りです。長官山からは展望が開け、利尻岳の山頂が目の前に見えるようになります。

6合目第一見晴台 7合目手前より長官山 胸付き八丁の登りはきついです
<< ブロッケン現象 >>
太陽を背にして立ったとき、自分の影が前方の雲や霧に映り、その周囲に色のついた光の輪が見える現象。ドイツのブロッケン山で初めて観測されたのでこの名がついた。
第二見晴台より長官山 ブロッケン現象
第二見晴台より沓形方面 雲海に浮かぶ礼文島 長官山手前よりポン山(右手前)

長官山から少し下った所に避難小屋があり、トイレブースもありました。利尻岳は全山で携帯トイレ使用です。トイレブースは私達が歩いたコースで5ケ所あり、回収ボックスは登山口に設置されています。

長官山山頂(1218m) 利尻岳山小屋手前より利尻岳 沓形方面はガスの中
<< 利尻岳山小屋 >>
無人の避難小屋です。緊急時には30人の避難が可能だそうです。
利尻岳山小屋 山小屋過ぎの利尻岳
笹の登山道を進む 9合目手前より利尻岳 ガスが発生

9合目(1410m)からは、ガレ場の登りが続きます。崩落した斜面側にはリシリヒナゲシやエゾツツジなどが見られます。過酷な環境で、美しい花を咲かせている姿には感動します。

9合目からは急な斜面を進む 分岐手前のお花畑 崩れた危険区域(山頂は奥)
ガレ場が続く登山道 山頂手前より礼文島 山頂手前より沓形方面
山頂手前より礼文島 崩れた斜面(危険区域) 利尻岳山頂はもうすぐ

利尻岳には山頂神社の鎮座する北峰(1719m)と南峰(1721m)がありますが、南峰は崩壊のため登頂、通行禁止になっています。

ローソク岩(左) 利尻岳北峰山頂(1719m) 三角点
山頂より三眺山(中央手前) 山頂より礼文島 山頂より沓形方面

北峰の大山神社には、利尻岳山頂の表示もあります。
山頂からはこれから下る沓形コースの稜線や、その向うに海に浮かぶ礼文島も見えます。

南峰(1921m)とローソク岩(右) 利尻岳山頂風景 大山神社が祀られている山頂
山頂より水平線の向うに北海道 山頂より礼文島 合流地点を沓形方面へ進む

利尻岳に沢山の花が咲いていました。リシリヒナゲシやリシリリンドウなど固有の種もあり、花を探しながら登ります。1700m余の山ですが低山帯から亜高山帯、高山帯と様々な植物を見る事が出来ました。

ヒヨドリバナ(鵯花) ツバメオモト(燕万年青) ミヤマオグルマ(深山小車)
ハクサンボウフウ(白山防風) イワギキョウ(岩桔梗) チシマギキョウ(千島桔梗)
<< 占守鋸草 >>
千島列島の北東端にあるシュムシュ(占守)島で発見されたノコギリソウ(葉がノコギリのようにギザギザ)の仲間。
シュムシュノコギリソウ(占守鋸草) シュムシュノコギリソウ(占守鋸草)
サマ二ヨモギ(様似蓬) チシマアザミ(千島薊) イブキトラノオ(伊吹虎の尾)
ウコンウツギ(鬱金空木) オニシモツケ(鬼下野) オオハナウド(大花独活)
ムカゴトラノオ(零余子虎の尾) ミヤマオグルマ(深山小車) キタヨツバシオガマ(北四葉塩竈)
クルマユリ(車百合) ハイオトギリ(這弟切) ヤマブキショウマ(山吹升麻)
ヤマハハコ(山母子) ミヤマアズマギク(深山東菊) チシマフウロ(千島風路)
ミソガワソウ(味噌川草) バイケイソウ(梅蕙草) シコタンハコベ(色丹繁縷)
<< 利尻雛芥子 >>
北海道の利尻岳の山頂付近の岩礫地に生える、日本に自生する唯一のケシの仲間。
リシリヒナゲシ(利尻雛芥子) トウゲブキ(峠蕗)
マルバギシギシ(丸葉羊蹄) ハクサンチドリ(白山千鳥) エゾツツジ(蝦夷躑躅)
シコタンソウ(色丹草) リシリトウウチソウ(利尻唐打草) リシリオウギ(利尻黄耆)
エゾミヤマクワガタ(蝦夷深山鍬形) フタマタタンポポ(二股蒲公英) リシリリンドウ(利尻竜胆)
アシボソアカバナ(脚細赤花) エゾノハクサンイチゲ(蝦夷の白山一花) ホソバイワベンケイ(細葉岩弁慶)
ボタンキンバイ(牡丹金梅) マイズルソウ(舞鶴草) アマドコロ(甘野老)

下山は沓形コースに進みます。合流地点からザレ場を下り、親不知子不知のガレ場や9合目の背負子投げの難所が続きますが、慎重に渡ります。鴛泊コースに比べて登山者がほとんどいません。しかし利尻島にはクマやヘビがいないので、それらに遭遇する危険はありません。沓形コースは花も多く咲いていました。しかしガレ場や岩場に咲いているのは遠くで見るだけです。後で聞いたのですが、写真を撮るための滑落が多いそうです。

親不知 親不知より山頂はガスの中 子不知
<<ヒメウスバシロチョウ>>
国内では北海道のみに生息。 平地~山地の明るい林内や林間の草原で見られる。 翅はやや透き通っており、体は毛深い。 シロチョウの名があり、それに似るが、実はアゲハチョウの仲間。
三眺山手前より利尻岳 ヒメウスバシロチョウ

9合目の三眺山(さんちょうざん)から見上げる利尻岳は、素晴らしい眺めです。危険個所を無事通過した安心感と、ヒメウスバシロチョウの歓迎もあり嬉しい休憩になりました。そこから5合目登山口まではハイマツからダケカンバへ、そして針葉樹とつながる樹林の中を下って行きます。

三眺山より利尻岳 長官山(中央) 避難小屋手前より礼文島全景
眼下に見返台方面 礼文島が一望できる礼文岩 見晴台にある避難小屋
夕日を見に、沓形岬に出掛けましたが、残念ながら雲に隠れて見ることはできませんでした。その時、沓形港より見えた利尻岳です。
見返台登山入口 沓形港より利尻岳

ようやく見返台登山口に着いたのが午後4時です。ハイヤーで今日の宿泊地の正部川旅館へ向かいます。正部川旅館は沓形港の近くにあり、生ウニなど食事の美味しい宿でした。近くには利尻ふれあい温泉もあり、割引料金(島民料金400円)で入る事ができました。明日は礼文島です。

データ
2013.07.20
夫婦
北麓野営場
0.6km

3:47

4:01

ポン山分岐
2.6km

 

5:51

第一見晴台
1.2km

 

7:19

第二見晴台
0.4km

 

8:00

長官山
0.5km

 

8:23

利尻岳山小屋
1.3km

 

10:14

合流点分岐
0.4km

 

10:54

利尻岳
0.5km

11:12

11:33

合流点分岐
1.1km

 

12:39

三眺山
1.8km

 

14:14

礼文岩
0.4km

 

14:32

避難小屋
2.0km

 

15:56

見返台園地
歩行距離
12.8km
行動時間
12時間09分
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