七面山(しちめんざん)は、山梨県南巨摩郡早川町に在りながら、山頂付近が身延町の飛び地になって居るため、早川町と身延町で山頂を分けています。
山頂近くに建つ七面山敬慎院が、日蓮が開いた身延町の身延山久遠寺(くおんじ)に属し、日蓮宗の聖地となっている為なのでしょうか?
敬慎院の随身門近くの展望台からは富士山の美しい姿を眺める事ができます。富士山のほぼ真西にあるため、春分の日と秋分の日には、富士山山頂からのご来光(ダイヤモンド富士)が望めるそうです。
東名高速の富士インター~国道139号~国道300号~県道37号~羽衣駐車場に到着。(登山口近くには小さい駐車場とトイレがあります)
羽衣橋近くの登山口(元丁目)から、表参道で七面山を目指します。
七面山の参道は、長さ(丁)を表示しており、登山口が元丁目で敬慎院の本堂が50丁目です。そのいくつかには、お参りする信者のために坊(休憩所)が設けられています。
2丁目の神力坊は、参拝者が道中安全を祈念して出発する場所で、本堂には「日蓮聖人」の木造とともに「お萬の方」の木像が安置されています。また七面山の守護神であり、七面山登詣者の守護神でもある「伽藍坊大善神」の木像が登詣道をはさんだ向かいのお堂に祀られています。
樹林帯の参道が続きますが、23丁目の中適坊を過ぎた辺りの開けた場所から南アルプスの北岳が望め、木々の間からは富士山も望めます。
和光門(46丁目)をくぐると、七面山敬慎院はもうすぐです。
七面山敬慎院(50丁目)は身延山久遠寺に属し、法主に任命された「別当」が運営しています。七面山本社には「七面大明神」が祀られており、参籠殿(宿泊し祈願することを参篭という)は1000人もの宿泊が可能で、一般登山者も宿泊できるそうです。
随身門前の展望台では、富士山の美しい姿に出会えます。早朝、本栖湖あたりから見た時は厚い雲に隠れていた富士山ですが、その雲の上に頭をだし優美な姿を見せています。
展望台近くから少し進むと、七面山の山頂が望めます。唐松の林を進むと急な登りになりますが、開けた場所から見える富士山を眺めながら登ります。登山道の横から少し入ると「がれ場」があり、七面山の山頂付近までガレ場は続いています。
山頂の標識の近くに、1,983.1mの三角点があります。しかし地図の上では最高地点は登山道から少し離れたところにあり、標高は1,989mとなっています。そこへの登山道を探しましたが見当たりませんでした。
山頂は樹林に囲まれ展望が悪いです。山頂で出合った人に、「ここから20分位の所にある希望峰は、南アルプスの展望が素晴らしい」教えてもらいました。下山の時間も気になりますが、行くことにします。
希望峰へは、唐松林のアップダウンが続きます。最後の急坂を登ると急に視界が開け、南アルプスのパノラマが目の前に広がります。
希望峰からは南アルプスの山々のパノラマが望めます。
下山は、同じコースを下ります。
登山口(元丁目)に戻り、そこから続く羽衣橋を渡り「白糸の滝」に寄ります。
徳川家康の側室お萬の方は、法華経の熱心な信徒で、ことに身延山22世心性院日遠上人に帰依しました。当時七面山は女人禁制でしたが、 お萬の方は女人成仏(古来より地位が低くみられてきた女性も、仏になれると説いた教え)の法華経を守護する七面山への登詣を強く願い、登拝口に程近い白糸の滝で7日間身を清め、ついに女性として初めて登頂を果たし禁制を解いたのです。