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このサイトは、夫婦で登った山のGPS記録で綴る登山日記です。

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2015.03.02(月)
晃石山(419.1m)

栃木県に住む友人から、セツブンソウの花だよりが届きました。まだ見たことのないセツブンソウの見頃に合わせて、栃木市を訪ねることにし、せっかく遠出をするのでセツブンソウの咲く山ではありませんが、関東100名山(栃木100名山にもなっています)の晃石山に友人夫婦といっしょに登る事にしました。
自宅~東名~東北道栃木インター~友人と合流後、大平山神社の大曲駐車場に到着。大平山~晃石山~清水寺~大中寺を巡るハイキングコースを歩きます。大平山から馬不入山(うまいらずやま)に至るコースは関東ふれあいの道になっています。

大平山神社は平安初期、慈覚大師により創建されたと伝えられていて、42社60余の神々が祀られているそうです。大平山へは境内にある奥宮入口から登ります。

大曲駐車場(トイレ有り)
大曲駐車場を出発
鳥居をくぐって大平山神社へ
大平山神社
大平山神社本殿
奥宮入口から登る

奥院入口からひと登りで大平山山頂に到着。山頂の富士浅間神社には、木花開耶媛命(このはなさくやひめのみこと)が祀られています。

分岐を富士浅間神社へ
大平山へ
大平山山頂の富士浅間神社

大平山から「ぐみの木峠」へと下りが続きます。開けた場所からは筑波山が望めます。

大平山より下る
ぐみの木峠
雑木林の中を進む
眼下に栃木市と筑波山(中央奥)
登山道を進む
木々の間に大平山

ぐみの木峠から小さなアップダウンをつないで晃石山に到着。山頂は展望は良くありませんが、少し開けた場所から雪を被った男体山、女峰山が望めます。
山頂には一等三角点があり、少し大きい三角点だなと思っているくらいでしたが、歴史的な三角点のようです。内務省地理局が、日本で本格的に測量を始めた最初の頃に設置され、その後参謀本部陸地測量部が明治35年に改埋した標石が現在のものだそうです。

晃石山山頂より男体山(中央)、女峰山
晃石山山頂(419.1m)
一等三角点
晃石山山頂風景
晃石山山頂(栃木百名山の表示)
山頂の祠

晃石山山頂には小さな祠があり、そこから200m程下ると晃石神社があります。境内に山名の由来になったという鏡石が置かれていますが、現在の鏡石には輝きはありません。晃石神社で参拝した後、桜峠へと下ります。
桜峠には大きな桜の古木があり、「桜峠は表東山道と裏東山道との連絡道で山桜があるので、この名がついている。昔は小野寺や葛生方面への大切な道であった。」との説明文もあります。周りにも桜の木が多いので、もうすぐ桜に彩られた峠になることでしょう。

晃石神社で参拝

<< 晃石神社 >>
晃石神社は山岳信仰で建立され、当時、鏡石(神石)があって、日夜恍々と輝いたことにより、綾都比之神と称されて山田の里人に崇めうやまわれることになったそうです。

晃石神社の鏡石
登山道を下る
ツツジが咲いている
桜峠へ
桜峠にある桜の大木
友人手作りのおにぎりで昼食
清水寺(せいすいじ)へ下る

桜峠を後に、清水寺(せいすいじ)まで下ります。清水寺からブドウ団地のグレ-プロード経由で大中寺へと進みます。車道から晃石山が望めます。

ロウバイ(臘梅)
車道を下る
清水寺
グレープロードより晃石山
グレープロード
大中寺へ

大中寺は、1489年に快庵妙慶禅師が曹洞宗のお寺として再興されたそうです。
怪談「雨月物語」の「青頭巾」の話は快庵妙慶の大中寺再興の伝説であり、 境内にある「七不思議の根無しの藤」として有名だそうです。

<< 七不思議の伝説 >>

  1. 根無しの藤
    大中寺の開祖快庵妙慶禅師が鬼坊主の霊を弔うため墓標としてさした禅師の杖がどんどん成長したといわれ、その姿は異様に絡みあって凄みがある藤の古木。
  2. 油坂
    ある学僧が燈火欲しさに、本堂の灯明の油を盗んで追われ、石段からころげ落ちたのが元で死に、そののちこの石段を上がり降りすると災いに合うと云われています。
  3. 枕返しの間
    ある旅人がこの寺に一夜の宿を乞い、この部屋で本尊の方に足を向けて寝たところ翌朝、目がさめると頭が本尊の方へ向いて居たという。びっくりした旅の男はあらためてその非を謝ったという。
  4. 不断のかまど
    ある修行僧が寺のものから隠れて、かまどの中に入って居眠りをしてしまった。それとも知らず寺男が火を焚きつけたためその修行僧は焼け死んでしまった。それ以来かまどには火を絶やさないという習わしになったと云われています。
  5. 馬首の井戸
    土地の豪族が戦いに敗れこの寺に逃げ込んできた。かくまってくれるよう頼んだが、後難をおそれて断ったところ 彼は大いに恨み、馬の首を切って井戸の中へ投げ込んだ。その後、この井戸からは馬のいななきが聞こえたといわれてます。
  6. 不開の雪隠
    馬の首を切って井戸に投げ入れた豪族晃石太郎の妻もやはり敵に追われこの寺の雪隠に逃げ込んだ、女は「敵につかまるなら」と、雲隠の中で命を絶った。以来、ここの戸は開けられたことがないと伝えられ、以後村人達は晃石太郎夫婦の祟りを恐れたといわれました。
  7. 東山一口拍子木
    大中寺の東のほうにある山中から拍子木の音が一声だけ聞こえると、必ず寺に異変があると伝えられている。その音は大中寺の住職にしか聞こえないといわれています。
大中寺参道
大中寺本堂
七不思議のひとつ油坂

大中寺から、謙信平を目指して登ります。
謙信平はその昔、上杉謙信が関東平野を見渡しその広さに感嘆したと云えられていて、空気の澄んだ日には富士山も望む事が出来るそうです。
友人に大平山のおいしい三大名物「焼き鳥・だんご・卵焼き」の事を聞き、茶店に入り団子をいただきました。太平山神社に奉納された米(だんご)や鶏、そして鶏が産んだ卵で作られたのが始まりのようです。
謙信平には、栃木市出身の路傍の石で有名な山本有三の文学碑もあり、路傍の石の「たったひとりしかない自分を たった一度しかない一生を ほんとうに生かさなかったら 人間うまれてきたかいが ないじゃないか」の一節が刻まれています。

大中寺から登り始める
急な岩場も友人たちの足取りは速い
謙信平付近
謙信平にある山本有三の文学碑
車道を下り大曲駐車場へ
大平山神社の随神門

謙信平からは車道歩きで駐車場まで戻り、今日の目的セツブンソウを見に栃木市都賀町の「花之江の郷(野の花自然園)」を訪ねました。

セツブンソウ(節分草)
キンポウゲ科セツブンソウ属の多年草。日本が原産で関東地方以西に分布、石灰岩地の広葉樹林帯の斜面に群生する。花期は2月、3月で高さ10㎝程の茎に直径2㎝の白い花を咲かせる。花弁に見えるのは萼片。節分の頃から花を咲かせ、2~3ヶ月で地上での生活を終える早春植物(スプリング・エフェメラル)のひとつ。早春の可憐な花です。

セツブンソウ(節分草)
セツブンソウ(節分草)
セツブンソウ(節分草)

今回は友人ご夫婦の案内でセツブンソウの可憐な花や、標高は低いが歴史のある大平山、晃石山と期待以上の山行になりました。

2015.03.02
  • メンバー
    夫婦と友人夫婦

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