神奈川県山北町の丹沢湖南にある大野山は、西丹沢の前衛の山で、「関東の富士見100景」にも選ばれています。山頂付近には神奈川県立「大野山乳牛育成牧場」があり、山頂近くまで車でも行くことができますが、今回は御殿場線北山駅から登り、谷峨駅に下る11.5kmのコースを歩きます。
車は御殿場線北山駅付近に駐車させてもらいました。北山駅の商店街を抜け、御殿場線沿いの静かな道を進みます。
大野山入口から20分ほどで深沢経由の車道(左)と、古宿経由ハイキングコース(右)に分かれます。
地蔵岩からは、車道から分かれてハイキングコースになります。広葉樹の森の登山道にはカラフルな落葉や木の実が落ちています。森を抜けると右側にススキの野原が現れ、その横を階段がずーと伸びています。スカイツリーの高さ(634m)の標識が途中にあり、そこを過ぎても長い階段は続きます。
大野山山頂は広く、東屋やトイレが整備されています。「富士見100景」の富士山は、残念ながら雲の中ですが、フユザクラが出迎えてくれました。
フユザクラ(別名コバザクラ)は冬(10月~12月)と春(4月)の年2回咲く桜です。日本の桜の原産地はヒマラヤ近郊と言われており、もともとは秋咲きであったのが環境に対応するうちに春咲きになったのではないかと言われています。
山頂を後に、谷峨駅方面に下ります。途中、ススキやチカラシバの穂が晩秋を感じさせてくれます。登山道から箱根山や金時山を望むことができ、さらに眼下には小田原市や相模湾が一望できます。
大野山の秋の花です。
下山のコースには、ドングリの苗を稙えている所があり、数年後が楽しみです。また、無人販売所には地元の物産が置かれています。やぶ北茶(700円)と干しシイタケ(300円)を買いました。
バイオトイレ近くには、「都夫良野の頼朝桜」の約80年の大木があります。そこから、右下の登山道を下ると、嵐集落の登山口に出ます。そこから車道歩きを楽しんで最終地点の御殿場線谷峨駅に到着です。
谷峨駅から山北駅までは一駅の電車の旅です。のんびりと歩いていたら駅の手前で電車が来てしまい、走って到着したのですが遮断機が下りているので、どうしたものかと立ち止まっていると運転手さんが救いの声をかけてくれました。電車に乗ると乗客の人から「乗れて良かったね」とやさしい言葉をもらいました。御殿場線はやさしい電車でした。