北上山地の最高峰の早池峰山は、「六角牛山」・「石上山」と共に遠野三山と呼ばれています。山頂を岩手県の宮古市・遠野市・花巻市で分けており、登山道もそれぞれの市から伸びています。今回は花巻市の河原坊登山口から登り、遠野市の小田越に下るコースです。人気のあるこのコースは交通混雑を避けるため、6月第2日曜日~8月第1日曜日の土日祝日は、岳~江繁間でマイカー規制されておりシャトルバスが運行されているそうです。その期間以外は、河原坊登山口の無料駐車場が利用できます。
10月7日午前11時出発。東名~首都高~東北自動車道の花巻インター~県道214・102・43・25号線とつなぎ、途中でタヌキ(5匹)の出迎えを受けながら午後8時河原坊登山口到着です。
翌朝5時、外気温は2度。6時に早池峰自然保護センター横の河原坊登山口から出発です。
岳川を渡り、コメガモリ沢沿いを登ってしばらく行きます。山頂へと続く尾根道へ出るとハイマツやシラビソの中に紅葉が見られるようになり、後ろの薬師岳も色づいてきているのがわかります。
山頂まで岩場や岩稜が続きます。見上げると、昔、天狗が頭をぶつけたと言う八合目の大きな打石があります。打石を過ぎても急登が続きますが、周りの景色に励まされながら登るとひと頑張りで山頂に到着です。
山頂は蛇紋岩の大きな岩が多く、早池峰神社の奥の院が岩に守られるように鎮座しています。
さすが北上山地一の高さを誇る早池峰山です、周りの山々が見下ろせて遠くに岩手山や鳥海山も望めます。
頂上避難小屋には携帯トイレ専用ブースがあり、携帯トイレも販売しています。回収ボックスは登山口に設置されていました。
早池峰山は花の百名山です。花の時期には250種の高山植物が次々と咲き、その中でもハヤチネウスユキソウ、ナンブトラノオ、ナンブトウウチソウ、ヒメコザクラなどは早池峰山の固有種だそうです。
早池峰山は主に蛇紋岩で構成され、登山道も大小の岩石ばかりです。早池峰山の蛇紋岩は4億年以上前の海底が隆起したものだそうです。植物の成長を妨げるマグネシュウムを多く含み、そのおかげで早池峰山固有種の高山植物が多く見られるのだそうです。
小田越への下りで、樹林帯に入ると「クマ」と書かれた一斗缶が数か所ぶら下げてありました。クマへの警告に叩くのでしょうか? 今回は登山者も多く、鳴らすことなく通過できました。
天気が良いとの事で急きょ決めた早池峰山ですが、登山口までのアプローチもよく、神奈川からでも一日半あれば余裕で登って帰れました。紅葉はまだ山の中腹位から見られるくらいでしたが、色がとても鮮やかで感動しました。次回は是非、花の頃に訪れたいと思います。