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このサイトは、夫婦で登った山のGPS記録で綴る登山日記です。

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2012.05.05(土)
大山(弥山)(1709m)

大山隠岐国立公園にそびえる中国地方最高峰の大山。
頂上こそ鳥取県に位置するものの、鳥取県で「伯耆(ほうき)富士」、島根県では「出雲富士」と呼ばれているのをみると、信仰の山でもあるのですが、山陰地方の人達に昔から慕われている山なのでしょう。
出雲風土記の中にも大山は登場しており、その昔出雲の神様の八束水臣津野命(やつかみずおみつぬのみこと)が、出雲の国は小さいのでもっと大きくしようと、各地を「国来国来」と綱で引きよせて島根半島を造ったといわれていて、その引綱の杭が大山であると伝えられています。

五月の連休(5月4日~5月6日)を利用、自宅を3日午後10時過ぎに出発。東名(新東名)、伊勢湾岸道、東名阪道、新名神、名神、中国道、米子道を経由して米子インターに4日午前7時ころ到着。走行時間(休憩込み)約9時間、走行距離695kmです。
到着時、天気はあいにくの曇り時々雨。大山は明日の楽しみにし、島根県の縁結びの神様の「出雲大社」に参拝(出雲大社での参拝は「二礼四拍手一礼」の方式だそうです。ご注意を)しました。その日はゴールデンウィークのイベントでしょうか?神代神楽が演じられていて、初めての神楽に魅入ってしまいました。
4日。米子泊(米子で食べた新鮮な魚はもちろんですが、特に岩ガキと宍道湖の大粒のシジミの酒蒸しはとても美味しかったです。)

5日午前5時に起床、大山寺の駐車場に6時30分に到着。夏山登山口近くで、登山届を提出し大山を目指します。

横手別れ付近で、すっぽりと雲で覆われている大山が現れましたが、大山寺の近くになると雲は消えていました。

横手別れ付近から大山を望む
大山寺入口から大山を望む
南光河原駐車場で登山届を提出
夏山登山道入口
昔の寺院跡の古い石垣の間を行く
石の階段が続く登山道
ミズナラの新緑が気持ち良い
二合目標柱

昨日の天気が嘘のような好天気になり、整備された登山道を進みます。五合目は広場になっていて休憩する登山者が多く、近くに「山の神さん」が祀られています。

新緑のブナの原生林が続きます
四合目標柱
五合目標柱

<< 山の神さん >>
五合目には「山の神さん」が祀られています。以前は遥拝所があり、登山者が東の尾根からのぼる日の出をおがんで登山の安全を祈願した場所だそうです。私達も今日の安全を祈り山頂を目指します。

山の神さん
中央に剣ヶ峰
だんだんと展望が開けてきた
六合目標柱
残雪の登山道

展望のよい六合目避難小屋の辺りは雪が残っています。しかし、下山してきた人に聞くとアイゼンを付ける程でもないとの事でした。登るにつれて展望が良くなります。

素晴らしい眺めに足を止める
眼下に大山寺の集落
蛇籠で階段状に整備された登山道
登ってきた稜線を振り返る
八合目標柱
広大に広がる頂上台地

<< ダイセンキャラボク >>
イチイ科の低木で、本州の日本海側の高山や深山に分布し、秋には赤い実をつけます。大山は八合目上部の頂上台地に群生し、日本最大規模を誇り、国の特別天然記念物に指定されています。

頂上へ続く木道
ダイセンキャラボクの大群落

八合目を過ぎた辺りからは、頂上台地が広がり、ダイセンキャラボクの大群落が現れます。自然を守るため木道が整備されています。

九合目は広大な頂上台地です。残雪を渡ってくる風は、とても冷たいです。

木道を歩く
九合目標柱
左から梵字ヶ池、地蔵ヶ池
九合目付近
頂上へ続く木道

頂上避難小屋の付近はかっては草原であったようです。登山者により踏み荒らされてきたため、官民一体のボランティアが「大山頂上植生復元事業」を展開し、現在は徐々に緑が戻りつつあるようです。

トイレ、売店のある頂上避難小屋
大山頂上付近:頂上付近は多くの登山者で賑わっています

大山頂上に到着。頂上にはトイレ、売店のある頂上避難小屋があります。
頂上は弥山(みせん)で、三角点までは危険な箇所があるため注意が必要です。残念ながら剣ヶ峰(1729m)まで登ることはできません。稜線は崩壊が激しく、危険な状態であることが理解できます。

大山の最高峰は、剣ヶ峰ですが、そこまでの縦走路は崩落が激しく危険なため通行できないため、大山の頂上は弥山となっています。

大山頂上(1710.6m)
大山頂上の方位盤
大山頂上から離れた所にある三角点
弥山の三角点(1709m)
弥山山頂から剣ヶ峰(1729m)
弥山山頂から弥山への稜線
弥山山頂から烏ヶ山(1448m)
弥山山頂から三鈷峰(1516m)

大山の花々です。春の花が少し咲いていません。大山寺から弥山コースや、宝珠尾根からユートピア・三鈷峰コースは花の頃に楽しめるコースの様です。

スミレ
カンスゲ(寒菅)
フキノトウ
ショウジョウバカマ(猩々袴)
ダイセンヒョウタンボク(大山瓢箪木)
ミヤマカタバミ(深山傍食)

大山は花の百名山に数えられていますが、5月上旬から初夏にかけて咲くという、黄色い花の「ダイセンスミレ」を見たいと思ったのですが、残念ながら見つけることができませんでした。

オオカメノキ(大亀の木)
タムシバ(田虫葉)

頂上から下山は石室がある左のコースにしました。この石室は、大正9年に地元の人々の奉仕によって夏山登山道が整備された翌年に、避難用として造られたようです。

ダイセンキャラボクの群落
このコースは雪が多い
石室(1588m)
梵字ヶ池の残雪を慎重に歩く
地蔵池の横の登山道を歩く
下山の途中、三鈷峰を望む

登山口の近くにある、阿弥陀如来を安置した、国重要文化財の阿弥陀堂に立ち寄りました。
阿弥陀堂は大山寺で最も古い木造建築で、室町時代末期の建造物だそうです。事前に申し込むと有料で拝観や座禅体験も可能だそうです。

<< 阿弥陀堂 >>
大山寺に現存する寺院の中では最古の建築物。
平安の藤原期に建立され、亨禄2年に山津波で倒壊したが、その後天文21年に現在の場所に再建されたといわれる室町末期の建造物です。

新緑の登山道
阿弥陀堂

<< 大山寺 >>
本堂が昭和26年に再建され、山内寺院十ヶ院、重要文化財阿弥陀堂及び弥陀三尊など宝物類も数多く残されています。中国地方一円の人々から御先祖様に会える寺として崇敬を集めています。

大山寺の山門
大山寺本堂

5月5日の子供の日の大山は、やはり子供連れの人達で賑わっていました。こんなに人々を引き付ける山だからこそ、深田久弥は100名山に選んだのかなという思いにかられました。100名山でなければ私達が大山に登ることも無かったでしょう。今回も楽しい山行になりました。

2012.05.05
  • メンバー
    夫婦

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